

HOW TO MAKE
A PERFECT SUIT
オーダースーツ、私の理想形
あらゆるライフスタイルに寄り添う、
ブルックス ブラザーズのパーソナルオーダー。
その実例を、3人のメイキング・ストーリーを通して
ご紹介します。
確たるスタイルをもつ彼らの
感性とアメトラの伝統は、どう響き合うのでしょうか?
ジャズギタリスト 浅葉裕文さんの場合
ジャズの旋律が映える
伝統美にあふれたスーツが欲しい
1986年生まれ。2015年にファーストアルバム「EASY LIKE」を発表。国内外のジャズフェスティバルに出演し、COTTON CLUBなどの名門でもライブを重ねる。2024年には藤原ヒロシ氏率いるフラグメントデザインとフリッツ・ハンセンが共作した「A Stool For Guitarists」のPVにも出演。
私の素養になっているのは、1940〜50年代の伝統的なジャズ。ライブでは大抵スーツかジャケットを着て、トラディショナルな装いで臨んでいます。今回も、そんなイメージでオーダーしたいですね。ステージの上は照明でかなり暑くなるので、薄くて軽い生地のほうがよさそう。せっかくだから今まで着たことのない色みに挑戦してみようと思っているのですが、生地の種類が多くてかなり迷います……。当初はベージュ系を想像していたのですが、グレーもいいですね。あ、ベージュがかったグレーもある。グレージュっていうんですか。これ、いいですね!
-
グレージュ系の
微妙なトーンで
かなり迷います「無地のグレージュ系に絞っても、トーン違いで色々な種類がありますね。生地見本だと仕上がりの想像がつきにくいのが難しいところ……でも、ジャケット型の台紙を当てたらイメージできました。面白いアイデアですね」
-
ボタンや裏地は
あくまで“普通”が
いいですね「オーダーとはいえ、奇をてらったディテールにする必要はないかなと。自分にとっては“普通”が一番落ち着きます。裏地はグレー、パイピングも同色に。ボタンは素材に迷いますね。ナットで軽やかにしてみましょうか」
-
シルエットは
ボックス型と
決めていましたが……「アメリカントラディショナルスーツといえばボックスシルエット。でもスタッフの方いわく“もう少しだけ細身な『クラシックフィット』もお似合いかと……”。あくまで理想を貫くか、自分の体型に合わせるか。これは悩みどころ」

“いい音楽ができそう”と
袖を通した瞬間に感じました
Style : CLASSIC FIT
Lining : Golden Fleece Pattern with Gray Piping
Fabric : Greige Wool by VITALE BARBERIS CANONICO
Buttons : Nuts
OrderPrice¥198,000 INC.TAX
「ダンディでありつつ、軽妙なムードも漂う佇まい……これはひと目で気に入りました。シルエットのベースをどうするか迷ったのですが、スタッフの方の勧めに従って体型に合った『クラシックフィット』を選んだのが正解だったと思います。2つボタンにノープリーツパンツというデザインも、大人のアメリカン・トラディショナルという風情でいいですね。自分の音楽性にもぴったりマッチしていると思います。それから、ボタンの雰囲気もいい。少し明るめなブラウンのナットがさりげないアクセントになっていますし、何よりギターの色に合う。鏡を見て、“いい音楽ができそう”と気分が上がりました。次のライブ、ますます気合が入ります」